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【勉強会#1-#10】これまでのテーマをまとめてみた

「海について対話できる場が少ない」


そんな思いで、SOA Japanでは「日曜日の勉強会」を開催してきた。2020年2月24日に第一回を行って以来、これまで計10回にも渡って週末のひとときを「海洋とつながる時間」としてきた。


毎回、1〜2人が簡単なトーク(話題提供)を準備し、その発表の後、グループでダイアローグをするというカタチ。当初はチームメンバーのみで行っていたが、途中からオープンな学びの空間として切り替え、毎回のように新しい参加者が加わるように。今後もさまざまな海洋活動家をお招きし、学びの環境を継続していきたい。


この記事では、これまで扱ってきた幅広いテーマをまとめてみた。


#1 [2/24]

「そもそも、どんなテーマを取り上げたい?」

初回は、この勉強会を使って何について学びを深めたいかアイデアを出し合った。主に海洋汚染(特にプラスチック)とその対策となるオルタナティブなライフスタイルに関心が集まる(とてもZ世代的?)。


#2 [3/1]

「衣服の現実とThe World is BlueのBook Review第一弾」

前半は衣服の製造・廃棄と海洋の関係性を探る。後半はメンバー・こころによる『The World is Blue』(著者シルビア・アール)という英書の紹介があった。海洋生態調査の第一人者と呼ばれるアール氏の示唆に富む世界に潜っていくBook Reviewシリーズ第一弾となる。


シルビア・アール著『The World is Blue』


#3 [3/8]

「サンゴ礁の白化現象とBook Review第二弾」

前半のメンバー・レアによる英語のプレゼンは、サンゴ礁の生物学的な構造から白化現象の科学的実態まで、知っているようで知らないサンゴの現実に迫る。後半はThe World is Blueの書籍紹介第二弾。今回は食物連鎖の観点から、海の代表的な哺乳類・クジラと捕鯨に関するアール氏の知恵をシェアした。


#4 [5/3]

「鉱物油とBook Review第三弾」

今回はメンバー・“アボちゃん”によるトークを通じて、コスメ商品などに含まれる鉱物油や界面活性剤が人間の身体、そして海洋環境にどのような影響を及ぼすのか考えた。その後、 Book Reviewの第三弾「海底に眠る資源」では、46億年の地球の歴史と化石燃料などの海洋資源を掘削してきた人間活動の歴史を照らし合わせながら、人類と地球の関係性をひもといた。


#5 [5/10]

「失われる生物多様性 - 人間の多様性も例外ではない?!」

メンバー・こころによるBook Review第四弾では、生物多様性と海洋の観点から向き合った。「生物圏は人間ナシで生存できるが、人間は生物圏ナシでは生存できない」。ホモ・サピエンスという種の繁栄がいかに生物多様性に依存しているか対話を深めた。後半ではメンバー・しゅうへいが新型コロナを引き合いに出し、このような惑星規模の危機が訪れた場合、私たち人間が均質的な行動をとっては生存できない、故にそれぞれが独自の思考・価値観でもって多様な意思決定をしなければならないという視点も模索した。


生物分類におけるホモ・サピエンスの重要性は極めて微小だ


#6 [5/17]

「ビキニ環礁、そしてコロナで顕在化した自然の声」

勉強会の第六回のテーマにビキニ環礁を選んだメンバー・温(おん)は、普段あまり見ることのないデータやグラフ、マップを駆使し、20世紀に起きたさまざまな核実験の実態と、その海洋環境への影響を紹介した。後半、メンバー・あゆみによるトークは感染拡大が止まらない新型コロナを取り上げ、人間の経済活動に急ブレーキがかかった今、世界中で見られるようになった自然環境の変化(大気汚染の減少、船舶の往来減による海洋哺乳類の活発化)が私たちに突きつける大きな「問いかけ」について考える時間となった。


1954年に米国が行った核実験による放射能の散布範囲


#7 [5/24]

「消えゆく海の森と再生活動」

第7回は初めてSOAJ外部の方をお招きする会となった。SOAJのパートナーである一般社団法人モバイルラッコ隊より三谷優衣子さんをお迎えし、「海の森」と呼ばれる藻場の現状と再生のための活動について共有いただいた。沿岸生態系において、酸素生成や魚の生息地として極めて重要な役割を果たす藻場が“砂漠化”していく「磯焼け」がなぜ起こっているのか、そしてウニの駆除という草の根活動がもたらす「殺す」という葛藤をどう捉えるか。里海の概念から「いのちの食べ方」まで、幅広く私たちの暮らしと海の関係性を探る会となった。


モバイルラッコ隊の活動紹介動画


#8 [6/14]

「Alien Species 〜おかしないきもの〜」

SOAJのHPローンチ後初となったこの勉強会では、海の生き物を紹介するコラム「Alien Species 〜おかしないきもの」の寄稿開始を記念して、大学院で生物学を専攻したメンバー・レアが不思議な海洋生物たちを紹介した。発光する細菌を体内に取り込むことで月の光に隠れるイカから、高速パンチを繰り出す小さなエビまで、普段の日常生活では出会うことのない世界で起きる生命の営みを考える朝となった。


#9 [6/28]

「うみことばクイズ」

これまでの勉強会では、海洋で起きている課題や生物を取り上げることが多かった。この第九回では、メンバー・しゅうへいが海に関するさまざまな日本語の表現を紹介し、言語から見えてくる日本人の感性や世界観をクイズ形式で掘り下げた。古来から海と共にある文化を築き上げてきた日本人の辞書には無数の「海言葉」があり、その節々には人生の苦難や暮らしの中の悦びを言の葉に包んで伝達してきた海の民の叡智が詰まっていた。


#10 [7/12]

「海洋リテラシーとは?」

海洋について知り、海洋について教える。SDGsが採択されて5年、その14番「海の豊かさを守ろう」の重要性が注目されてきた。この会では、まだ短い歴史しかない「海洋教育」の領域を取り上げ、UNESCO発行のリーフレットに基づき、「海洋リテラシーの7原則」やその他の海洋知識・知見をいかに社会の中で広げていくことができるか議論を深めた。



Ocean-Literacy-for-All翻訳【第一版】
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UNESCO刊行の冊子の邦訳版



Sustainable Ocean Alliance Japan 編集部

Sustainable Ocean Alliance Japan 2020